2025年4月27日日曜日

不定根

 サツマイモには、二種類の根がある。
水や養分を吸収する「吸収根」と、養分を蓄えて肥大化する「不定根」。
将来イモになるのは不定根の方だ。
その不定根は苗の葉柄の脇から伸びてくるのだが、すべての不定根が将来イモになってくれるかと言うと、そうでもない。
伸びたはいいものの、肥大化する素振りを見せず、そのまま赤いゴボウのような根に育ってしまう不定根も多い。

サツマイモの不定根が肥大化してイモになっていく様子を地中断面で定点撮影しようとすると、ほとんどの根がゴボウのようになってしまうのだが、なぜだろう。

ここからは僕の予想なのだが、おそらく、周囲の土が固かったりすると肥大化しにくい性質があるのではなかろうか?
去年、サツマイモの根の撮影に初めて挑戦してみたのだが、地中断面に沿うように張り巡らされた不定根は全て肥大化しなかった。対して、地中断面を少し掘った位置にある完全に土中に埋まった不定根はちゃんと肥大化していた。
地中断面に沿うように伸びた不定根は、固められた土と断面作成用の壁に両脇を挟まれているせいで肥大化できなかったのではなかろうか?

地中断面に沿うようにイモが出来てくれないのであれば、完璧にきれいな地中断面で肥大化の様子を撮影することはかなり厳しくなってくる。成長した根を撮影するたびに、地中断面を崩しつつ土中の根を露出させなければならない。


上の画像に写っているのは、全て不定根。同じ不定根でも太いものと細いものがあり、なるべく太い根を撮影したいのだが、こういう太い不定根は地中断面の表面には中々できない。
完全に土中に隠れた葉柄からしか太い根が出ない。
上の画像は、地中断面を霧吹きを使って少しづつ崩して根を露出させた。


埴沙萠さんが唯一サツマイモの地中断面の撮影に挑戦しているが、かなり苦戦の痕が読み取れる。
埴さんの写真を見てみると、イモが肥大化するにつれて地中断面がボロボロになっているのだが、イモが肥大化したカットでは地中断面を削ってイモを無理やり露出させたような跡がある。
おそらく、途中までは撮影が上手くいっていたが、肥大化したイモが地中断面ではなく土中にしかできなかったせいで無理やり断面を削ることになったのではなかろうか?


とにかく、不定根には柔らかい土をかぶせておき、撮影の都度断面を少しづつ壊す方法に切り替えた方がよさそうだ。








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